ダイビングライセンス(Cカード)取得、スクールはNAUI

Cカード(通称:ダイビングライセンス)取得ならNAUI

連載コラム!

NAUI × ずかんくん

沢山知って、ダイビングを
もっともっと楽しんじゃおう!

はじめまして!このたび『ダイビング指導機関NAUI宣伝隊長』に就任いたしました!海の生き物大好き!イラストを描くのが大好き!ずかんくんです!
広い海にはどんな生き物たちが暮らしているのか?『沢山知って、ダイビングをもっともっと楽しんじゃおう!』をテーマに、毎回登場する生き物を変えながらお話していきます!

ずかんくんプロフィール
再発行限定ずかんくんデザインCカードについてはこちら
ずかんくん

第24回 ずかんくんコラム 
「福とフグ」

「福とフグ」

<はじめに>

あけましておめでとうございます。
ダイビング指導機関NAUI宣伝隊長を務めさせて頂いております、ずかんくんです。
2026年最初のコラムテーマは縁起よく「福とフグ」です!
フグはその愛らしさからダイバーのみならず、多くの魚好きの皆さんから愛される存在です。フグの本場で有名な、山口県の下関では「ふぐ」を濁らせずに「ふく」と呼びます。
ふぐは不具・不遇といった不吉な語感なので、縁起を担いで「ふく(福)」にしたのではないかと言われています。
皆さんはそんなフグのことをどれだけ知っていますか?
2026年の始まりは「フグ」のことを沢山知って「福」を呼びましょう!

<フグのなかまたちの特徴と多様性>

まずはフグの仲間たちの多様性をまとめます。
口が小さくて、他の多くのと同様に口を前に突き出すことはできません。
そしてフグの仲間の多くは、腹ビレがない、または1つしかありません。
そして世界に約420種、日本には約140種が住んでいます。

フグたちには上あごと下あごに2枚ずつ、大きな板のような歯があります。
そして「膨張のう(ぼうちょうのう)」に水や空気を吸い込んで、お腹を大きく膨らませることができます。内臓、血液、皮、骨に毒を持っているものが多く、肉に毒を持っている種類もいます。フグは毒を持っている種が多くいるため、調理する場合は、知識と技術を身につけて資格を得なければいけません。

  • アカメフグ

  • アカメフグ

  • トラフグ

  • カラス

  • サザナミフグ

  • サザナミフグ幼魚

  • センニンフグ

  • ウチワフグ

  • ドクサバフグ

<なぜフグのお腹は膨らむの?>

フグのお腹の中には消化管の一部が変化した「膨張のう」と呼ばれている袋のような部分があり、フグは水や空気を「膨張のう」に吸い込んでお腹を膨らませることができます。
動物は危険を感じると体をそらせたり、毛をさかなでたりして体を大きく見せて、敵を驚かせようとします。フグは、危険な状態になると「膨張のう」を膨らませて体の大きさを2倍以上にすることができます。フグは、自分の体重の2~4倍もの重さの水を飲みこむことができるとされています。
フグが膨らむのは、敵を驚かしたり、体を大きくして相手に飲み込まれないようにするためだと考えられています。ちなみに空気を吸い込むことで、陸上でも膨らむことができます。
空気や水を吸い込んだ「膨張のう」の出入口を閉じると膨らんだままでいることができます。

  • イガグリフグ

  • サザナミフグ

  • ネズミフグ

  • ハリセンボン

  • メイタイイシガキフグ

  • ヨリトフグ

<クサフグの集団産卵行動>

クサフグは岸近くの岩礁や海藻が生えているところに住んでいますが、
初夏の満月や、新月の夜、大潮の時に集団で浜に来て産卵をします。
砂浜に押し寄せる波に乗って、波打ち際に沢山のクサフグが押し寄せます。
メスが産卵を始めると、続いてオスが一斉に放精します。
一斉に精子をかけるため、海水が白くにごるほどです。
産卵と放精が終わるとクサフグは波に乗って海に帰って
いきます。岸や浅瀬に産み落とされた卵は数日でふ化します。

<アマミホシゾラフグが作る神秘のミステリーサークル>

アマミホシゾラフグのオスは、奄美大島の水深約25~30mの海底に直径2mにもなる産卵巣(さんらんそう)を1週間かけて作ります。オスは体の後ろ半分と、まるでスプーンのような形状をした「しりビレ」を使って海底に砂地にしりビレを震わせて溝を掘ります。
産卵巣の中央には細かな砂が集まる為、白っぽく見えます。メスは産卵巣の中央に卵を産み、オスは卵がかえるまで守ります。アマミホシゾラフグの産卵巣はまるでミステリーサークルのようで、中心から溝が放射線状に走ります。オスはメスに刺激を与えて産卵を促します。

<フグの毒について>

フグの毒の正体は「テトロドトキシン」という物質で、多くの動物の神経の情報伝達を妨げる働きがあります。「テトロドトキシン」は、神経伝達に関わる「ナトリウムチャネル」の働きを阻害することで、神経の伝達を阻害する作用をもちます。そのため中毒を起こすと、全身まひや呼吸困難で死ぬこともあります。フグの仲間たちはこの毒を、敵から身を守るために強めてきたと考えられています。
哺乳類にとっては「テトロドトキシン」が無味無臭であり感知できませんが、多くの魚類は味覚で「テトロドトキシン」を感知できるとされています。
フグを食べた魚が、すぐに毒を吐き出す行動も目撃されているので、「テトロドトキシン」は防御に役立っていることが分かっています。
また、フグ自身はテトロドトキシンに阻害されにくい「ナトリウムチャネル」を持っているので、自身が中毒死することはありません。
フグを自分で調理して食べることはとても危険なため絶対に行ってはいけません。
シロサバフグによく似た猛毒のドクサバフグが日本の沿岸でとれることがあります。
フグを見分けることはとても難しいです。

<フグは毒の力をどうやって手に入れている?>

フグが体内に持つ毒のもとは、海中細菌が持つ毒素(どくそ)です。毒素を取り込んだ貝などをフグが食べることによって、毒素がたまり、より強い毒になっていきます。
食物連鎖による体内への蓄積だけにとどまらず、トラフグ幼魚を用いられた実験ではフグは嗅覚で「テトロドトキシン」をかぎ分け、「テトロドトキシン」入りのエサを積極的に食べることが明らかにされています。「テトロドトキシン」を摂取したフグは、まず毒を肝臓に溜め、その後に皮や卵巣に蓄積します。皮の毒はその個体の防御に、卵巣の毒は卵や稚魚などの次世代を守ることに役立てます。

<愛らしい人気者!ハコフグの仲間たち>

ハコフグの仲間の体は、頑丈な板状の骨質板(こつしつばん)で覆われています。
ヒレに棘条は無く、腹ビレはありません。
いじめられると体表から毒性の粘液を出すため、水槽で飼育しているとその毒で他の魚が死んでしまうことがあります。

  • ハコフグ

  • シマウミスズメ

  • シマウミスズメ

  • イトマキフグ

  • イトマキフグ

  • ミナミハコフグ幼魚

  • ラクダハコフグ

  • ラクダハコフグ

<実はフグの仲間たちである、ハリセンボンやマンボウの特徴>

ハリセンボンに腹ビレはありません。上あごと下あごに1枚ずつ板のような歯があります。
ハリセンボンの仲間たちは長くて鋭い棘を体の表面に持っていて、水や空気を吸い込んでお腹を膨らませることができます。ハリセンボンの棘は鱗が変化したものです。
マンボウの体は薄く、平たく、普通の魚の後ろ半分が無くなってしまったような特徴的な姿をしています。腹ビレや尾ビレがなく、背ビレと尻ビレの後部が繋がってできた、「舵ビレ」と呼ばれる独特なヒレを持っています。

  • ハリセンボン

  • イシガキフグ

  • イシガキフグ

  • ネズミフグ

  • マンボウ

  • ヤリマンボウ

  • ウシマンボウ

  • クサビフグ

  • イガグリフグ

  • カクレマンボウ

  • メイタイシガキフグ

<マンボウの仲間の一生>

マンボウの仲間は、卵からかえったばかりの頃は、他の魚のような尾ビレを持っています。体表には針のような突起が何本も出ていますが、これが無くなるとマンボウらしい体になります。マンボウの成魚には尾ビレが無く、背ビレと尻ビレが変化して尾のようになっています。

<ダイバーにはおなじみのモンガラカワハギの仲間>

カラフルな体色や模様で観賞魚として人気があり、水族館などでもよく会うことができます。体は、板状のウロコで覆われています。
第一背ビレが小さめで、普段は体にしまっています。他の魚と違った、特殊な体形を持つグループです。
口は小さく、数本の大きな歯や、クチバシのような形の歯がついています。
エラ孔は小さな穴のような形をしており、腹ビレは非常に小さいか、まったく無いものもいます。
また、体内に毒を持つものや、体表から毒を出したりするものもいます。
世界に約360種、日本には約130種住んでいます。

  • モンカワラハギ

  • モンカワラハギ幼魚

  • ギマ

  • フエカワムキ

<身近なカワハギもフグの仲間です>

カワハギの平たい体は、細い棘がついたウロコで覆われているので、なでるとざらっとした感触があります。食べる時は皮をはいで食べるので、「カワハギ(皮はぎ)」と名づけられました。
眠るときに流されないように藻類などに口でつかまるという面白い習性を持ちます。

  • カワハギ

  • ウケグチノホソミオナガノオキナハギ

  • アミメハギ

  • ウスバハギ

<フグにまつわる文化・フグ提燈(ちょうちん)>

トラフグやハリセンボンなどの皮を干して利用し、フグの形を模して作られた提燈が「フグ提燈」です。
フグの皮を使って作られる「フグ提燈」は、山口県下関市の名産品です。

(最後に)

今回は、「フグ」を「福」とも呼ぶ縁起の良さから、新年最初の海洋生物題材として奥深いフグの多様性を紹介してきました。

一口にフグといっても、フグらしいフグから、ハコフグの仲間、ハリセンボンの仲間、カワハギの仲間、マンボウの仲間まで実に多くの仲間がいて、それぞれに面白い独自の習性を持っていることを楽しんで頂けたのではないでしょうか。
フグの仲間はあたたかい南の海から、身近な日本海、太平洋の岸近くなど多くの場所で出会うことができるので、現地でフグの生態が気になったら是非この海洋生物コラムを開いて参考にしてみてください。

いよいよ2026年が始まりました。皆さんは今年、海でどんな生き物に出会い、どんな発見をするのでしょうか。
海洋生物コラム連載はまだまだ続きます、どうぞ今年もよろしくお願い致します。

・(参考文献・引用書籍)
・小学館図鑑NEO 水の生物(小学館)
・小学館図鑑NEO 魚(小学館)
・小学館の図鑑Z 日本魚類館(小学館)
・ポプラディア大図鑑 魚(ポプラ社)
・学研の図鑑 Live 魚(Gakken)
・講談社の動く図鑑move 魚(講談社)
・国立科学博物館 特別展「毒」公式図録 (読売新聞社・フジテレビジョン)
(2026年2月)