naui 50周年 ANNIVERSARY No.12 角 恒安

naui 50周年 ANNIVERSARY
連載第12回目は、東京・代々木上原のダイビングショップ
「BRAND NEW SEA」と沖縄本島・北谷にあるダイビングサービス
「OCEAN BEACHちゃたん」のオーナーであり、
NAUI ITC(インストラクタートレーニングコース)に合格した、
インストラクター達を最終評価する、IQC(インストラクタークオリフィケーションコース)の
ディレクターとしても活躍いただいている、角恒安氏(NAUI INSTRUCTOR #12074)です

CCR(クローズドサーキット)で久米島・海中鍾乳洞調査ダイブ中の角氏(07年)。

NAUI 創立50周年おめでとうございます。

初めに、ここまで私を、育て、支え、励ましてくれた多くの先輩方に、この場をお借りして、心からお礼申し上げます。

錚々たる諸先輩方の中、原稿依頼が来たのには正直困りました。
功績らしきものは全くない私が、何を書けばよいか、悩みました。
結局、この世界で食べて行こうと心に決めて27年、自身でショップを運営して15年の歳月が経ちました。

はたして、経営は思惑通りうまくいったのか?夢に近づいているのか?
世代交代の波に押しつぶされそうになりながら、変化して来た数十年の歳月を、整理し、指導団体とわれわれがどのような方向で努力をしていけばよいのか?
自己の反省も含めながら思いつくことを書いてみました。
こんな考え方もあるのかと軽い気持ちで読んで頂けると幸いです。

斑尾高原スキー学校指導員時代の角氏。(83年頃)

行けばなんとかなるITCって本当?

27年前、私はスキー学校の指導員をしておりました。
その仲間が、突然東京都内にダイビングショップを始めるので手伝ってもらえないかと誘われ、レジャーで数年潜っていただけの私が、本格的にこの道に首を突っ込むきっかけとなったのです。

前号に登場されておりました、倉田比呂志氏同様、何をどう勉強してよいのやらわからないままに、沖縄の西表島に行き、村田幸雄氏指導の元、古き良きITCを叩き込んでもらうことになりました。 当時、行けばなんとかなると聞き、本気にして行ってみると、そんな甘い考えを根本からへし折られ、ダメ出しの末、2度目の西伊豆土肥でやっと合格。
本当に人生にとっても貴重な経験をさせてもらいました。

下村一三氏や安良里DSの山中康司氏など、多くの方に育てられ、その後ITCスタッフとして多くの経験を積ませていただき、今では、恐れ多くも、IQCのディレクターなども時々担当させていただいております。

90年代に入り、自分の失敗や経験を生かしつつ、インストラクターの養成コースを積極的に取り扱うようになり、リーダーを目指したい人への募集広告を出したりもしました。

そのころから、どんどんリーダーシップの基準が変わりはじめ、今のITC(8日)+IQ(2日)というスタイルになりました。
私が参加したころと比べ、今では事前に準備するべき教材、学習内容などの情報が格段に分かりやすく、充実しています。
当時は誰に聞いても「行けば分かる」でしたから・・・。

最初に代々木上原で始めた、路地裏7坪の店舗。今ではカリスマキャンドルアートの店として超有名です。

「今の自分は果してインストラクターらしく映っているのか?」

ITCと言えば、つい7〜8年ほど前までは、インストラクターになることがすべてであり、憧れや夢でした。

最近では広告を見て、「憧れのインストラクターになりたい」とやみくもに申しこんで来る 人よりは、既存のお客様が、家族や友人と安全に楽しむ為に、自らより高度な知識やスキルを身につけたいなど、ハッキリとした目的意識を持って、ステップアップコースに参加する方が増えてきました。

私自身、インストラクターになりたいと決心したのは、指導をしてもらった先輩インストラクターが逞しく、その人に憧れたからです。
この世界に飛び込んで来る今の若者が、われわれの背中を見て、憧れてくれるか少々不安です。
私たち先輩は、ちょっぴり意識して、海でも陸でも元気よく明るく振舞わないといけないですね。

普段、ダイビングとは別の仕事で生計を立て、週末を充実したダイビングライフの一貫としてインストラクター活動をする。
そんな生き方も現在では選択肢の一つです。

昨今、経済情勢のきびしい中で、プロとして仕事を続けて行ける、それ自体とても幸せなことのはずです。
時々忘れそうになりますが、思いだしては頑張るエネルギーにしています。
そして年齢がいくつになろうが「輝きのあるインストラクター」を目指したいです。

「BRAND NEW SEA」主催のITC風景。(伊豆・土肥101)

お客様は変わった?

どこの業界でも共通ですが、近年女性のパワーの勢いに驚かされます。
言い換えると男性に元気がないのでしょうか。
昔は、ダイビングをしていること自体ステイタスがあり、海ではカッコよく女性をサポートし、「モテ」たい、なんて男性も結構いましたね、自分もそうでした。

最近男性は仕事が忙しく、女性に対してマメになる時間がないのか?少々ドライな感じがします。
男性に比べ女性は、時間と費用の捻出が上手で、気がつけば、私のお店でも、男性より女性のお客様の割合が圧倒的に多いことに気がつきました。

そこで、店内のトイレが清潔であるか?
落ちついて会話が出来るスペースの確保がされているか?
スーツなどの採寸は女性スタッフがおこなっているか?
女性が気になるような点をリサーチしつつ、日々改善の努力をしています。

最近は、リーダーシップコースでも、女性の占める割合が増えてます。(和歌山・白崎海洋公園)

リゾートでも同じように、船にトイレがないと女性が乗りたがらないとかどこでも女性はビジネスの「要」のようです。

今後の指導団体NAUIに思うこと

時々「潟iウイエンタープライズさんはわれわれに何をしてくれるのでしょう?」という発言を聞きます。
特に他団体からのクロスオーバーされる方などはその傾向が強いように思います。
その質問に対して私はよくこう答えます、「我々がNAUIという指導団体をどう使うかだと思いますよ」。

一般のダイバーの方には「NAUI」という団体は、良く分からないけど、どうやらいいらしいっという噂は聞くようです。
でも、その「いい」が何なのか?
どんどん霧に包まれよく見えません。

より具体的なことばで表現するならば、NAUIは、講習のクォリティーが高い、営業方法が誠実である、講習スケジュールが柔軟性に富んでいる、っとここまではよくある話しですが、極端な例としては、インストラクターがカッコいい、爽やかである、服装がオシャレである等、とにかく多くの要素、噂を目で見える形でアピールし続けてほしいのです。

「ロゴを良く目にするね」など露出度でも話題に上るようになって欲しいです。
その為の協力は我々インスタラクターもショップも一団となって、よいイメージづくりをしていかないと、最近時々耳にする、どこの団体も変わらないという言葉になってしまいます。

やはりNAUIは輝いていないと、そこに所属するインストラクターも輝かない、そして憧れてリーダーを目指す人達も、そこの部分をよく見ているような気がします。

最後に、これまで50年もの歳月を頑張って来た指導団体ですから、この不況を乗り越え、新しいテーマを掲げ、突き進む潟iウイエンタープライズの姿をぜひ見てみたいです。
そこに所属する私達インストラクターも、自身が輝き続ける為に、一緒に盛り上げていきましょう。

最後まで、お読み頂き、ありがとうございました。

角恒安(NAUI#12074)